「学生時代に英語を勉強したはずなのに、全く身になっていない」
「文法の理解は出来るが、話すことが苦手」
こういった経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
英語は4つの技能から成り立っており、そのバランスを意識しながら学ぶことで、生きた英語を習得することが出来ます。
ここでは、英語の4技能とはどういったものなのか、またその必要性をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
英語の4技能とは
英語の4技能とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」のこと。
どれかに特化するのではなく、この4つを満遍なく学んでいくことが、英語習得の近道です。
聞く/Listening
英語を聞き取る力。
だんだんと聞き取れるようになると、頭の中で英語から日本語への変換をせず、英語のまま理解することが出来る様になります。
話す/Speaking
英語を話す力。
日本人が苦手とも言われているカテゴリーです。
英語でコミュニケーションを取る際、この話す力が最も重要となってきます。
読む/Reading
英語を読解する力。
文法力や単語力が求められます。
長文を読んでいく場合もあるため、文の構成を理解できているかどうかがキーポイントになるでしょう。
書く/Writing
英語を書く力。
同じことを説明する場合でもたくさんの言い回しや単語が理解できていることで、文章力も変わってきます。
Speakingは英語を理解するスピード力が重要になってくるのに対し、Writingは正確性が大事になってきます。
今と昔の英語教育の違い
「世界のグローバル化が進んでいる」とはよく聞くものの、英語教育の面ではどのように変化しているのでしょうか。
これまでと今後の違いを比較しながら見ていきます。
これまでの英語教育はどのようなものだったのか?
第二次世界大戦後、日本でも英語教育が行われる様になります。
当時アメリカの支配下であったため、そこから日本の英語教育はアメリカ英語が主流になりました。
また、日本は第二次産業であったため多くの知識をインプットする力が求められました。
そのため「読む」「書く」が中心の教育となり、その面影は現在でも残っています。
同時に、戦後は洋楽が日本に入ってくるようになってから「聞く」も身近になっていきました。
今後必要な英語教育のやり方とは
インターネットが普及し、世界中の人々と簡単に繋がることが出来る様になった現代。
その影響で日本人にも「話す力」が求められるようになりました。
2020年から小学校での外国語教育が必修化され、話すことによりフォーカスされたカリキュラムとなっております。
また、以前中学生で学習していた内容を前倒しして学習しているため、以前より求められる英語力は上がってきていると言えます。
なぜそういったものが求められているのか
現在企業を中心にグローバルな考え方が進んできており、外国人労働者が増えてきていたり、多くの企業が海外進出をしています。
そのため、今の小学生が大人になる頃はよりその影響が強くなり、身の回りに外国人がいることが当たり前になってきているでしょう。
そうなってくると、求められるのは「生きた英語」です。
従来の暗記型の英語勉強法ではなく、きちんとインプットとアウトプット両方が出来る人材が求められます。
英語の4技能習得はなぜ求められるようになったのか?
それでは、英語力を高めるためになぜ4技能が重要になってくるのでしょうか。
「テストのための英語」ではない
日本人が得意としている「暗記型」の学習方法は、いわばテストに備えた勉強方法。
しかし、実際に英語を習得するためには「生きた英語」が必要になります。
日常やビジネスで英語を使用していく際、英語の4技能が全て兼ね備わることで初めて相手とコミュニケーションが取れたり、自分の意見を述べることが出来る様になります。
将来のグローバル化に備えるため
日本のみならず世界ではグローバル化が進んでいます。
今の子どもたちが大人になるときには、英語を話せることは決して珍しくない世界になるでしょう。
海外の英語教育を見ていくと、中国でも既に小学校3年生から小学校での英語科目が導入されています。
また、韓国では小学校1年生から英語科目が開始されているようです。
アジア諸国の中でも英語教育に関して先進国であるフィリピンでは、英語科目以外の授業も英語で行われているほど、英語が身近にある国の1つです。
このように、世界規模で考えても私たち日本人にとっても、英語習得は必要と言えます。
「話す」「聞く」が苦手な日本人
「日本人は自分の意見を発言するのが苦手」ということを聞いたことがある方も多いでしょう。
英語のみならず、日本語でもアウトプットが苦手とされている人種です。
もちろんそれがプラスになることも多くありますが、英語習得の面で考えると、アウトプットをする力を習得することも重要となります。
欧米では授業中に発言をすることが美徳とされており、発言をしない人=意思がない人と見做されます。
そうならないためにも「話す」「聞く」のトレーニングをしていきましょう。
英語のレベルチェックするためのCEFRとは?
英語系の試験を受けたことがある人なら、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
実際にCEFRとはどう言ったものなのか見ていきましょう。
CEFRとは
CEFRとは、語学力の基準となるレベル分けのこと。
実際に「英語が喋れる」といっても、何を評価基準にするかによってその人の英語力は大きく変わります。
また英語系の資格は多く存在しているため、その資格の種類や協会によって難易度に差が生じます。
そういった場合の「ものさし」的役割として、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)が作られました。
2001年に欧州連合(EU)によって設定され、英語のみならず他言語にも使用されているカテゴリーです。
このあと詳しくご紹介していきますが、A1〜C2までの6つのレベルに分かれており、4技能を総合した実用的な技能をどの程度身につけているかを表したフレームワークになります。
CEFRの6つのレベル
イギリス政府が設立した、公的な教育機関であるブリティッシュ・カウンシルでは、CEFRを以下の様に定義しています。
段階 | CEFR | 能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧 |
熟達した言語使用者 | C2 | 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。 いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。 自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。 |
C1 | いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。 言葉を探しているという印象を与えずに流暢に、また自然に自己表現ができる。 社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。 複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。 |
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自立した言語使用者 | B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。 母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。 幅広い話題について明確で詳細な文章を作ることができる。 |
B1 | 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要な点を理解できる。 その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。 身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 |
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基礎段階の言語使用者 | A2 | ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関してはよく使われる表現が理解できる。 簡単で日常的な範囲なら身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。 |
A1 | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。 自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について質問をしたり、答えたりすることができる。 もし、相手がゆっくりはっきりと話して助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。 |
引用元:https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/4skills/about/cefr
具体的に「何が出来るか」が明記されていることにより、漠然と「英語が出来る、出来ない」という感覚だけではなく、自分自身はどんなことが出来て次のレベルにいくためにはどういったスキルが必要なのかが明確化されていきます。
小中学生が英語の4技能を効率よく伸ばすコツ
小学生は大人に比べてなんでも吸収することが出来る年齢です。
「ゴールデンエイジ」とも呼ばれています。
英語を理解するために、英語→日本語→英語で置き換えていくのではなく、英語をダイレクトに理解するようになる「英語脳」は、子どもの時から英語に触れることで早く得やすくなります。
それでは、子どもが英語に興味を持つようにするためには、どのようにしていったら良いのでしょうか。
英語系の試験を受けてみよう!
英語系の資格は数多く存在しますが、中でもおすすめは「実用英語技能検定(英検)」です。
英検は学校教育を基準にレベルが分かれているため、特に学生は大変受験しやすい資格となっています。
また、先ほどご紹介したCEFRにも基づいているため、自分の英語力がどの程度か把握しやすいでしょう。
英検は合否が出される試験のため、合格の二文字を手に入れることで、モチベーションもより向上していくでしょう。
参考:小学生の英検は何級までを目指す?小学生のための英検対策や学習方法などをご紹介
参考:小学生で英検3級にチャレンジ!オススメの試験対策と英語勉強法
まずは「楽しんで」取り組んでみる
英語習得はとにかく楽しむことが大切です。
一度でも英語に対して苦手意識を持ってしまうと、払拭するまでに長い時間がかかります。
テキストを使用した座学の勉強だけでなく、英語のアニメや絵本、日本でも有名な英語版の童謡などを聞くだけでも非常に効果的です。
子どもたちが一番興味を持ちそうな方法で、楽しく英語に触れてみてくださいね。
英語の4技能を図る方法
英語の4技能を測るために、ズバリ英語系の資格に挑戦してみましょう。
様々な資格が存在しますが、今回は日本で有名な英検、TOEIC、IELTSを例にご紹介いたします。
英検
先程もご紹介したように、英検は学生の英語力を測るのに大変オススメな資格の1つです。
英検はペーパーテストがメインですが、準2級以降になると二次試験として面接が導入されています。
そのため、4技能を総合的に行って合否が出されるため、自分の英語力はどの様な場所にいるのか可視化することが出来る試験です。
英検準2級のレベルは高校卒業程度と言われているため、高校入学以前に保有していると、入試の際に加点対象となる学校も多く存在します。
TOEIC
TOEICは世界160か国で実施されている、グローバルスタンダードな資格の1つです。
英検との大きな違いは、合否ではなく点数で評価されること。
TOEICは大まかに2種類存在し、「TOEIC Listening&Reading test」と「TOEIC Speaking&Writing test」となっています。
そのため、両方の受験をすることにより4技能のスキルを細かく測ることが出来ます。
IELTS
TOEICや英検はアメリカ英語が使用されているのに対し、IELTSはイギリス英語の資格です。
日本ではあまり馴染みのない資格かもしれませんが、ヨーロッパではTOEICを上回る認知度となっています。
試験内容には対面式のスピーキングも含まれており、4技能全てを測ることが出来ます。
IELTSはイギリス英語の資格となりますが、アメリカの3000以上の教育機関がIELTSを認めているため、アメリカ英語圏に興味がある方にもぜひ受けていただきたい資格の1つです。
英語の4技能を学ぶには英会話スクールと独学どちらが良い?
最近ではオンライン教材や動画サイトが普及しているため、独学での英語学習も身近になってきました。
一方で、子どもと大人の英語学習方法は大きく変わってきます。
お子様に英語を習わせたいと考えている方、また保護者で一緒に4技能英語レベルを上げたいとお考えの方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
独学ではスピーキング練習が難しい
結論から言うと、独学での英語学習は「スピーキングの壁」に直面することが多いです。
保護者の方がネイティブレベルに英語を話せる!などであれば別ですが、そうでないご家庭が大多数。
その場合会話の練習が大変難しくなっていきます。
発音の修正
英語をアウトプットしていく中で重要なのが発音です。
特にネイティブスピーカーと話す場合、文法が多少間違っていても前後の単語から想像して、意味を理解してもらえることが殆どです。
しかし、発音が間違っていると相手に聞き取ってもらうことが困難になります。
発音練習が苦手という方も多いですが、発音はコミュニケーションを図る上で大変重要なポイントとなります。
その分、英会話スクールですと先生が存在するため安心でしょう。
費用
長く続けていく英語学習では、やはり気になるのは費用です。
独学だと参考書代ほどの出費で済むので、安く抑えたいという方にはオススメです。
しかし、結果として上手く英語を身に付けることが出来ず、結局英会話スクールに通うというケースも多く存在します。
そうなってしまうと時間もお金も余分にかかってしまうため、最初から英会話スクールに通うことも選択の1つです。
今ではオンライン英会話も普及し、費用も安く抑えながら場所や時間を問わず英語学習が出来ます。
そういったものも上手く活用していくと、楽しみながら英語学習が続けられますよ。
まとめ
「入試のために、英語を勉強したい」
「将来の留学に備えて、今のうちに英語に触れさせてあげたい」
「子どもと一緒に保護者も英語力を身につけたい」
皆様が英語学習をしたいと思うきっかけは様々です。
どういった目的で英語力を身に付けるにしても、英語を4技能満遍なく学習することでただ記憶した英語ではなく、「生きた英語」として財産になります。
詰め込みすぎて英語学習が楽しくなくなってしまうのは本末転倒。
まず第一に楽しい!と感じながら、皆様のペースにあった英語学習を続けてみてくださいね。