中学受験において「英語」が重要な位置を占める学校は年々増えています。従来の受験といえば国語・算数・理科・社会が中心でしたが、近年はグローバル化の流れを受け、英語を入試科目に取り入れる中学校が首都圏を中心に広がっています。その中でも、江戸川女子中学校は比較的早い段階から「英語利用入試」を導入し、帰国生はもちろん、国内でしっかりと英語を学んできた受験生からも強い注目を集めてきました。
この「英語利用入試」は、英語を得意科目として武器にできる貴重な仕組みです。国算理社だけではアピールしにくい子どもでも、自分の強みを存分に発揮できる場が用意されているのです。加えて、合格後には国際コースという特別な学びの場につながる可能性もあり、「英語を通して未来を切り開きたい」と考える家庭にとっては見逃せない入試方式だと言えるでしょう。
この記事では、2025年度の最新情報に基づき、江戸川女子中学校の英語利用入試について徹底的に解説していきます。入試の概要から出題傾向、具体的な対策方法、さらに合格後に待っているインターナショナルコースの内容まで、保護者の方が気になるポイントを整理してお届けします。
江戸川女子中学校の英語利用入試の概要
まずは、英語利用入試の全体像を整理してみましょう。
江戸川女子の英語利用入試には大きく2つの方式があります。
-
英語特化型入試
-
英語の筆記(リーディング・文法/リスニング・ライティング)に加え、英語・日本語での面接を行う方式。
-
配点は英語に大きく偏っており、まさに「英語を得意科目にできる」スタイルです。
-
-
基礎学力型入試(英語選択)
-
国語・算数に加えて英語を受験できる方式。
-
特徴的なのは、3科受験でも「得点の高い2科合計」で判定される点。つまり英語が不得意でも国算でカバー可能、逆に英語で得点を稼ぐこともできます。
-
実施日は、帰国生が11月下旬、一般入試が2月1日午後・2月2日午前/午後・2月6日午前。特に2月初旬は首都圏受験の山場。江戸川女子の英語利用入試は、この時期に英語力を発揮できる場となっています。
さらに合格後は、国際コースという特別なカリキュラムに進む道も開けます。英語を強みにしたい受験生にとって、非常に魅力的な仕組みです。
なぜ英語利用入試が注目されるのか?
英語利用入試がここまで注目される背景には、大きく2つの理由があります。
ひとつは、グローバル教育の需要の高まりです。保護者世代が学生だった頃と比べ、今の教育現場では「英語4技能(読む・聞く・話す・書く)」が重視されるようになりました。将来の大学入試も海外進学も視野に入れると、早い段階から英語を得意にしておくことは大きなアドバンテージになります。
もうひとつは、女子校としての安定した人気です。江戸川女子は伝統ある女子校でありながら、英語教育の強化や国際交流プログラムを積極的に導入しています。「伝統+国際性」という組み合わせが、多くのご家庭のニーズに合致しているのです。
2025年度入試の変更点と傾向
2025年度の入試では、形式自体に大きな変更はありません。ただし保護者の間で特に話題になっているのが、外部検定の加点制度です。
英検やGTEC、模試の成績証明、あるいはコンクール入賞歴まで、内容を問わず「学力データ」を提出すれば、1点〜最大40点の加点が受けられます。複数提出しても採用されるのは最も高い点の1種類だけですが、これは非常に大きなメリット。
例えば、英語特化型で120点(不合格ライン)を取ったとしても、+20点の加点があれば合格目安の130点に届く可能性があります。まさに「勝負を左右する仕組み」になっているのです。
英語利用入試の出題科目・配点・形式
英語特化型の構成
-
Reading/Grammar & Vocabulary(50分・100点)
-
Listening & Writing(50分・100点)
-
面接(英語+日本語・約10分)
英検2級レベルで、満点は200点。合格の目安は130点前後です。
基礎学力型の構成
-
国語・算数(必須)
-
英語(リスニング含む)を加えて3科で受験可能。
-
判定は「得点の高い2科合計」で行われます。
-
英語は一般で英検4級レベル、帰国生基礎学力型で英検3級レベル。
面接(英語特化型)の概要
-
所要時間は約10分。
-
個別形式で、英語と日本語の両方で質問されます。
-
質問内容は自己紹介、志望理由、将来の夢などが中心。
英語筆記試験の出題傾向と対策ポイント
難易度は?
江戸川女子中学校の英語特化型入試は、英検2級レベルを基準に設計されています。文法問題・長文読解・リスニング・ライティングと、まさに「英語の総合力」を問う内容。英語が得意な子であっても、4技能をバランス良く鍛えていないと取りこぼしが出やすい構成です。
一方、基礎学力型入試の英語は英検4級〜3級程度が目安。基礎的な文法・日常語彙、短文リスニングなどが中心で、帰国生以外の一般受験生にも挑戦しやすいレベルです。ただし出題形式に慣れていないと「聞き取れなかった」「選択肢で迷った」といった失点につながりやすいため、事前の形式慣れが重要になります。
出題傾向(英語特化型)
-
空所補充:動詞の時制・助動詞・前置詞など、英検2級で頻出の文法事項を正確に使えるかが試される。
-
長文読解:社会・科学・教育テーマなど時事的な題材が扱われることも多く、段落ごとの要旨をつかむ力と「設問の根拠を本文に戻って確認する姿勢」が必須。
-
リスニング:会話文・ナレーション型が多く、英検2級のPart1,2に近い形式。設問先読みで「数字・固有名・否定表現」などをメモしておくと精度が上がる。
-
ライティング:意見作文。典型的な出題テーマは「環境問題」「ICTの利用」「学校生活」「国際交流」など。型にはめて「主張 → 理由2つ → 結論」と組み立てれば安定した答案になる。
対策ポイント(英語特化型)
-
長文読解
線を引いて要点をまとめる習慣をつける。読みながら「この段落は何を伝えているのか」を意識し、キーワードをマークする。 -
リスニング
ディクテーション(書き取り)で「聞き取れなかった音」を可視化 → シャドーイングで発音とリズムを身につける → 最後に音源をリピート再生しながら理解を定着させる。 -
ライティング
毎週1本、英検2級レベルのトピックを使って作文。最初は「型に沿ったアウトライン」を3分で書く練習から始め、15分で清書、2〜3分で見直すリズムを定着させる。
出題傾向(基礎学力型)
-
短文読解・空所補充:be動詞・一般動詞の使い分け、疑問文・否定文など基本文法。
-
語彙問題:家族・学校生活・天気・食べ物・行事など身近なテーマ。
-
リスニング:簡単な会話文や指示に従う問題。聞いた単語を素早くイメージ化できるかがカギ。
対策ポイント(基礎学力型)
英検4級〜3級の問題集を「1日10分×毎日」で回す。短文音読やカード学習を取り入れると暗記しやすい。
文法理解をおろそかにしないよう、英検4級〜3級レベルの中学基礎文法も丁寧に確認する。
共通する対策ポイント
特に長文とライティングはすぐに得点が伸びにくい分、早めの準備がおすすめ。夏休み前からコツコツ積み重ねておくと安心です。
英語面接の内容と準備方法
面接形式
-
時間:約10分
-
個別面接形式
-
英語と日本語両方の質問
面接で聞かれる質問の例
-
“Please introduce yourself.”(自己紹介)
-
“Why do you want to study at Edogawa Girls?”(志望理由)
-
“What do you want to do in the future?”(将来の夢)
-
“Tell me about your school life.”(学校生活について)
評価されるポイント
-
完璧な文法よりも「伝えようとする姿勢」
-
即答性、表情、アイコンタクトなども重視される
-
面接官に「この子は積極的に学びそうだ」と思わせることが重要
家庭でできる練習法
-
保護者が日本語で質問し、子どもが英語で答える。
-
毎日1分間の「英語スピーチタイム」を録音して確認。
-
志望理由や将来の夢は30秒〜1分で言える型を暗記しておく。
江戸川女子中のインターナショナルコースとは?
江戸川女子中学校の大きな魅力のひとつが、インターナショナルコースです。これは英語利用入試と直結しており、「合格したらどんな学びの環境が待っているのか」という点で、多くの保護者から注目されています。
カリキュラムの特徴
他コースに比べて英語授業時間が圧倒的に多いことが特徴です。単に授業数が多いだけでなく、スピーキングやライティングを含めた4技能を徹底的に鍛えるプログラムが組まれています。
授業では、英語でディスカッションやプレゼンテーションを行うことも珍しくありません。帰国生や英語特化型入試を突破した生徒が集まるため、クラス全体の英語レベルが高く、互いに刺激し合える雰囲気があります。
他コースとの違い
一般コースが国内進学に向けたカリキュラムを中心とするのに対し、インターナショナルコースは海外大学進学や長期留学も視野に入れた指導体制を持っています。
英語教育に特化しているだけでなく、国際理解教育として「世界の文化・歴史」「SDGs」などをテーマにした学びも取り入れています。
姉妹校との交流プログラムや、短期〜中期の海外留学が体系的に用意されており、机上の英語力だけでなく、実際に異文化に触れる機会が豊富です。
入試との関連
英語特化型入試で合格した場合は、自動的にインターナショナルコースに進学します。一般入試合格者でも、英検3級以上を取得していれば出願時にコース選択可能。
英検をまだ持っていなくても、2月下旬の特別考査(トランジット試験)に合格すれば、入学後にインターナショナルコースに進むことができます。つまりチャンスは複数あり、幅広い層に門戸が開かれています。
海外留学や進路実績
在学中に海外短期留学を経験する生徒が多く、現地で英語を実際に使うことで大きく成長しています。
進学先は国内の難関大学だけでなく、海外大学への進学者も年々増加。とくに近年は、アジア圏やオセアニアの大学への進学実績も目立ちます。
「英語力を大学入試に活かしたい」「将来は海外も視野に入れたい」というご家庭にとっては、非常に魅力的な進路設計が可能です。
英語利用入試の受験準備スケジュール【2025最新】
江戸川女子の英語利用入試は、帰国子女と一般受験生で準備の仕方が少し変わってきます。ここでは、それぞれの立場に合わせて「小5までにやっておくべき準備」と「小6以降の学習計画」を具体的に見ていきましょう。
帰国子女の場合
まずは、受験資格を満たしているかどうかが大前提です。
-
令和8年(2026年)3月に小学校を卒業見込みの女子
-
保護者の海外転勤等に伴い、原則として1年以上海外に在住
-
帰国後3年以内(2023年4月以降に帰国)
上記を満たしている生徒が「帰国生英語特化型入試」に出願できます。
小5までにやっておきたい準備
海外生活で培った英語力は大きな強みですが、そのままでは「日本式の入試問題」に慣れていないこともあります。
英検は低学年から5級・4級に挑戦し、小5までに2級取得を目標に。帰国生入試は英検2級程度が目安なので、出願時にスコアを提出できると大きな安心材料になります。
帰国後すぐに準備を始める家庭も多いですが、在外中から日本の英検や模試を受験しておくとスムーズです。
小6の学習計画
-
春〜夏:
-
英語のリーディング・ライティングを中心に「紙の試験形式」に慣れる。
-
日本語の国語力も強化。帰国生でも面接は日本語でも行われるので、自己表現力を磨いておく。
-
-
秋:
-
過去問・サンプル問題を使って模試形式演習。
-
英作文は「意見+理由2つ+結論」を型として定着させる。
-
-
冬〜直前期:
-
面接練習を週1回以上。志望理由や将来像を「日本語」と「英語」の両方で答えられるように。
-
外部検定証明(コピー)の準備を忘れずに。
-
帰国子女は「英語力の証明」+「日本式入試への慣れ」が合格への最短ルート。
一般受験生の場合(基礎学力型・英語特化型)
一般受験生は、帰国生の条件を満たしていない生徒を対象としています。
一般入試では 「英語特化型」と 「基礎学力型(英語選択)」の2種類から選ぶことができます。
小5までにやっておきたい準備
英検は低学年から5級に挑戦し、小5で準2級、できれば2級まで取得しておくと安心。
英語を科目として学ぶだけでなく、日常的な多読や音読、英会話学習を続けて、自然に英語に触れる習慣を作っておくことが大切です。
算数の基礎力も同時に固めておきましょう。基礎学力型入試では「英語+国算」または「国算のみ」で判定されるため、英語と算数で安定した得点を出せるかどうかは合否を大きく左右します。
小6の学習計画
-
前半(春〜夏):
-
英語特化型は、英検準2級または2級を仕上げる。
-
リスニングを毎日15分+読解演習を週2回。
-
-
秋:
-
過去問演習で本番形式を体感。
-
英語特化型は、英作文を週1回。理由を2つ入れる習慣を徹底。面接練習を開始。
-
-
冬〜直前期:
-
願書の志望理由を親子で話し合い、文章化。
-
英語特化型の面接は「自己紹介」「志望理由」「将来像」をスムーズに言えるよう練習。
-
一般受験生は「英検の早期取得」が必須。特に小5までに準2級を取っておけば、小6は演習に専念できます。
Brightly for Kids で早期から英語対策
中学受験で「英語利用入試」を導入する学校が増えている今、早期からの英語学習や英検取得を意識して準備を始めるご家庭が確実に増えています。とくに江戸川女子中学校のように、小5までに英検準2級〜2級を取得していると入試対策が格段に有利になるケースも珍しくありません。
ただ、家庭だけで継続して学習させるのはなかなか難しいもの。特に「スピーキング」「リスニング」は、保護者が直接サポートするのが難しい分野です。
そこでおすすめしたいのが、Brightly for Kidsというこども専門のオンライン英会話。
-
子どもが楽しく、長く続けられる設計
-
英検対策も意識した英語4技能を身につける
-
保護者が負担なく見守れる、担任・日時固定制
など、中学受験の可能性を広げる“英語の土台づくりにぴったりのサービスです。
まずは体験してみることで、「うちの子の英語の伸びしろはどこにあるのか」「どのレベルから始めればいいのか」が具体的に見えてきます。
中学受験に備えて英語を強みにしたい方は、ぜひ一度 Brightly for Kids の体験レッスンを試してみてください。