そもそも「英検準2級プラス」とは?
2025年度から新設された「英検準2級プラス」は、従来の英検準2級と2級の間にある“力の差”を埋めるために設けられた新しい級です。とくに、準2級に合格した直後の受験者たちにとって、いきなり2級の抽象的なテーマに取り組むのはハードルが高いという声が多く寄せられていました。
この課題を受け、英検では実に31年ぶりの級構成の見直しを実施。4技能をバランスよく測定しつつ、次のステージへのステップアップがしやすくなるような級として、準2級プラスが位置づけられました。
準2級、2級と比べたレベルの違い
英語力の国際基準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で見た場合、
- 準2級:A1~A2レベル(身近な話題についての基本的理解)
- 準2級プラス:A2~B1レベル(身近な社会的な話題について意見の表明・要点の把握)
- 2級:B1レベル(社会的な話題に関する理解・発信)
という位置づけになります。
つまり準2級プラスは、2級よりも実生活に近い社会的なトピックを扱いながら、「情報の要点を掴み、自分の考えを英語で伝える」力をさらに伸ばしていくための橋渡し的な級といえます。
準2級プラスの一次試験出題内容と試験時間
英検準2級プラスは、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能をバランスよく評価する構成です。小学生が受験を検討する際にも、試験内容と試験時間を事前に知っておくことはとても大切です。
筆記試験:リーディング+ライティング(85分)
リーディングでは、長文読解や語彙文法、空欄補充問題などが出題されます。
ライティングは「要約問題(25~35語)」と「意見文(50~60語)」の2題構成。自分の考えを理由とともに書く力が問われます。
リスニング:ナレーション+会話(25分)
英検準2級プラスのリスニングは、ナレーションと会話が中心です。意図や要点を把握する問題が多く、準2級よりも少し長く、情報処理力が求められる印象です。
小学生の場合、ディクテーションやシャドーイングを日常的に取り入れておくと、リスニング力の強化につながります。
スピーキング(二次試験):音読+質疑応答+自分の意見を述べる(約5〜6分)
二次試験では、短い英文の音読、簡単なイラスト描写、さらに“自分の意見を述べる”問いかけに答える場面があります。準2級よりも一歩進んだ内容ですが、身近な話題が多く、小学生でも練習次第で十分対応できます。
出典:
- 公益財団法人 日本英語検定協会「英検2025年度の変更点」https://www.eiken.or.jp/eiken/2025newgrade/
小学生が受けるにはどのくらいのレベルが必要?
英検準2級プラスは、準2級と2級の中間に位置する実践的な級です。小学生にとっては挑戦的なレベルですが、しっかりとした準備と背景知識があれば十分に合格を目指すことができます。ここでは、実際の出題傾向をふまえて、必要とされる力を具体的に解説します。
語彙・文法・速読力の目安
準2級プラスの読解・語彙問題では、3,500~4,000語程度の語彙力が求められます。
日常会話の範囲に加え、学校生活・地域社会・環境問題といった、少し社会性のある話題にも対応できる必要があります。たとえば過去問にはこんなトピックが含まれていました。
- 地球温暖化がホッキョクグマに与える影響
- スペインのオリーブオイル価格と食文化
- AIと人間の思考力に関する短い論説
これらの文章を時間内に読み取り、要点を整理できる読解スピードと集中力も不可欠です。
ライティング:要約と意見文に対応できる力が必須
準2級プラスでは、25〜35語の英文要約と50〜60語の意見文という2種類のライティング課題が出題されます。準2級にはない要約問題に慣れることがカギになります。
- 要約問題では、抽象的な話題(例:「AIに頼りすぎると人は考えなくなる」)を読み取り、一文で核心を押さえる練習が必要です。
- 意見文では、具体的な身近な問い(例:「レジ袋を使うべきか、マイバッグを持つべきか」)に対し、主張と理由2つを構成する力が問われます。
英検準2級プラスはこんな子におすすめ!
英検準2級プラスは、2025年度から正式導入された「準2級と2級のあいだ」を埋める新しいステップ級です。2級の受験を考えているなら、英語力の“地ならし”になる設計です。
準2級のあと、2級が遠く感じる子にこそおすすめ
準2級に合格したものの、2級の長文読解や意見文に苦戦しているという声は多く聞かれます。
特に2級では、環境問題・教育・労働など抽象的で社会性のある話題が出題され、語彙・論理的表現・背景知識の3点が大きな壁になります。このようなとき、いきなり2級を目指すのではなく、準2級プラスで「成功体験」を積むことが、その後の学習意欲を支える力になります。
準2級合格後すぐの子や、2級に何度か挑戦している子にとっては、準2級プラスが「ちょうどよい挑戦」になるはずです。
受験の目安は?
- 2級を受けて不合格になっている
- 準2級には合格したばかりで、2級対策に不安がある
- 英語読書や意見文に触れている学習段階の子
- 将来的に英語外部試験(英検2級・TEAP・TOEFLなど)への接続を考えている
英検準2級プラスを受けることで、自信を持って2級対策に向かう土台が整います。
実際に小学生で準2級プラスに合格した子は…
前回初めての準2級プラスの試験が実施された際には、元々2級を目指して対策していた在校生の小学生数名が受験されました。無事合格した生徒には、共通点がありました。
- すでに準2級に合格済み
- 英語での読書(リーダー)に親しみがある
- 英語日記、読書感想文などの英作文などを日常に取り入れて練習していた
- レッスン内で、ネイティブ講師と意見を伝える練習を日頃からしていた
さらに、社会的なテーマに関心を持ち、「なぜそう思うのか」と自分の視点で言語化できる習慣があると、準2級プラスの試験内容と親和性が高くなります。英文ニュース記事を読んでいる生徒もいました。
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