2020年から小学校で英語の授業が始まり、5~6年生では成績が付くようになりました。
そのため、小学生で英検5級に合格したご家庭は英検4級も小学生のうちに受験して、どんどんステップアップしたいとお考えかもしれません。
そこでこの記事では、英検5級の次のステップである英検4級についてまとめました。
英検4級のレベル、小学生にとっての難易度やメリット、小学生が英検4級に合格するためのポイント、勉強方法、おすすめのテキスト、そして、英検4級を目指す小学生の親御さんが出来ることを紹介していきます。
今回の記事を参考にして頂き、小学生のうちに英検4級にチャレンジして、さらなる英語力アップを目指しましょう。
英検4級のレベルとは
英検は一番下の級が5級で、英検4級はその次のステップとなる級です。
だいたい中学中級レベル(およそ中学2年生)と言われています。
基礎的で、かつ重要な内容の単語や文法が出題されます。
英検4級のトピックは身近なものばかりですが、5級と比べると話題の幅が広がります。
基本の語彙やフレーズ、簡単な会話文や短文、長文が読めることが英検4級のレベルです。
小学生にとっての英検4級の難易度
英検4級の合格基準と、小学生が難しいと感じる点から英検4級の難易度を探ってみましょう。
英検は「英検CSEスコア」という基準で合否判定がなされます。
それによると、英検4級の合格基準はスコア622(スコア1000が満点)となっています。
6割強できていれば、合格と判定されるということです。
しかし、英検5級がスコア419で4割強出来ていれば合格であったことに比べると、2割ほど合格基準が高くなります
次に、具体的に英検4級が小学生にとって難しい点として、
- 文法が一歩進んだ内容で学習範囲が広い
- 長文問題が3つ加わる
- リスニングの会話文がより複雑になる
などが挙げられます。
以上のことから、英検4級は出題範囲が拡がり複雑になる上に、合格基準も上がりますので小学生にとっては難易度が高めの級と言えるでしょう。
しかし、英検4級の対策を立てて勉強すれば、小学生でも合格が目指せる級です。
英検4級の特徴や出題内容
英検4級は、リーディング(筆記)とリスニングの「一次試験」のみです。
英検4級には二次試験の面接(スピーキングテスト)は無いのですが、受験申込者は任意のスピーキングテストを受けることが出来ます。
合否判定には関係ありませんが、スピーキングスキルを計る大切なテストですので、受験をおすすめします。
英検4級の試験時間、出題形式やトピックは以下の通りです。
出題形式や内容を把握して、英検4級対策を立てましょう。
英検4級の試験時間
英検4級の試験時間は、下記の通りです。
リーディング:約35分
リスニング:約30分
英検4級の問題数
英検4級の問題数は、下記の通りです。
リーディング:35問
リスニング:30問
英検4級の出題形式
英検4級の出題形式やトピックは以下のように定まった形式があります。
リーディング
- 短文の語句空所補充(単語の穴埋問題)
- 会話文の文空所補充(会話に合った会話文を選ぶ)
- 語句整序(単語の並べ替え)
- 長文問題(広告、イベント告知・メール、手紙・日記などの読解問題)
リスニング
- 会話の応答文選択 (イラストに合う答えを選ぶ)
- 会話の内容一致選択 (会話の内容に関する質問の答えを選ぶ)
- 文の内容一致選択 (短文の内容に関する質問の答えを選ぶ)
主なシチュエーションやトピック
家族、友達、学校、旅行、趣味、天気、道案内、近況報告、海外の文化など。
詳しくは、英検公式ページ「4級の試験内容」を参照してください。
参考:4級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検4級で出題される文法や単語レベル
英検4級に出てくる文法や単語は中学中級レベルと言われていますが、実際にはどのようなレベルのものが出題されているのか、具体例を挙げてみましょう。
ざっとご覧いただき、もし難しいと感じるようなら、英検4級の対策をばっちり行って受験に備えて下さいね!
英検4級の文法レベル
英検4級の文法は中学2年生で習うレベルで、英語学習に欠かせない重要な文法ばかりです。
例文と共にご紹介します。
文法項目 | 例文など |
過去形 | He helped his mother. |
未来形 | She is going to cook tomorrow. She will cook tomorrow. |
助動詞 | can(could), will(would), may(might), must, shouldなど。She should get up early. |
比較級 | Your cat is bigger than mine. |
最上級 | He can run the fastest of all. |
as~as… | (・・・と同じくらい~)I am as busy as Kevin. |
to 不定詞 | (~すること、~するために、~するための) We went to the park to play tennis. |
動名詞 | (~すること 動詞のing形) Drinking water is good for your health. |
There is/are構文 | (~があります) There is a new shopping mall. |
接続詞 | (~とき、~なので) when, if, that, because It was raining when he got up. |
代名詞 | her, his, them, other, another など Do you want another cake? |
疑問詞 | Who, What, Where, Why, When, How How did you get to the airport ? |
動詞の語形変化 | 3単元にーSが付く、過去形・現在進行形は不規則形に注意 |
英検4級の単語レベル
英検4級の単語レベルは単語数が約1,300語で、小学校の英語の授業では習わない単語がたくさん出題されます。
一例をご紹介しますので、書ける必要はありませんが、読めるかどうか確認してみてください。
(例)festival, vacation, practice, favorite, nervous, library, fever
また、be looking for~ や、a glass of water(不可算名詞)などの熟語も出題されていますので、英検4級では、単語プラス熟語も出ると覚えておいてください。
小学生が英検4級を目指すメリット
中学2年生レベルである英検4級を小学生のうちから目指すメリットについて解説します。
中学入試に有利
英検4級を持っていると、内申点の加点や得点換算、試験免除など優遇してくれる中学校があります。
中学受験で大いに役立つので、小学校のうちに英検4級を目指す意義はとても高いです。
英語学習のモチベーション向上になる
4年生までは英語の授業は外国語活動に当たり、アクティビティを通して英語に親しむものが多いです。
しかし、5~6年生になり英語学習に慣れてくると、楽しい活動だけでは物足りない部分もあるかもしれません。
小学生のうちに英検という資格取得にチャレンジすることで、学習意欲の向上や維持が期待できます。
4技能がバランス良く身に付く
英検の特徴は、4技能「聞く・話す・読む・書く」がバランスよく伸ばせる点です。
英検4級にはライティングのテストはありませんが、沢山の英文を読むことが書く力の基礎になります。
中学校から始まる本格的な英語学習に役立つ
小学校から英語の授業が始まったことに伴い、中学校の英語の授業も変化してきています。
中学校の外国語(英語)の指導要領が改訂され、2021年からは、単語数が増えたり学習する文法の範囲が広くなっています。
そのため、小学校のうちから英検を目指し、英検を通して英語のスキルアップを図っておくと、後々の英語学習に役立ちます。
小学生が英検4級に合格するためのポイント
小学生が英検4級に合格するためにはどのようなポイントを抑えれば良いでしょうか。
英検4級の出題内容や出題形式に慣れる
ぶっつけ本番ではなく、英検の出題形式や傾向に慣れておくのが合格のためのポイントです。
過去問や英検4級対策のテキストで問題をどんどん解いたり、英検対策を行っている英会話スクールやオンライン英会話レッスンを利用して効果的に勉強しましょう。
語彙力を養う
小学校で習う英語の語彙数は600~700語です。
英検4級は、中学2年生レベルで約1,300語ですので、足りない分を補う必要があります。
また、小学生は思考力が発達段階でもあります。
そのため、分からない言葉に出会ったとき、大人のように文脈から推測する力が不十分な場合もあります。
単語を覚えておくことでそのような問題はクリアできます。
リスニングテストに慣れる
英検4級のリスニングは5級と比べるとスピードが速くなり、シチュエーションや登場人物が複雑になるため、混乱しやすいです。
問題や答えの選択肢を、問題の合間に少しずつ先読みしておくのもポイントです。
長文問題は必要な情報を見つける
イベント告知や広告がテーマの問題は、場所・日付・時間・値段などの情報を見つけ、整理しながら読んでいくことがポイントです。
メールや手紙は、送り主・相手先が誰なのかを把握します。
もし時間が無くなりそうなら、先に問題を読み、該当部分を探しながら読むのも良い方法です。
試験時間に慣れておく
過去問や予想問題を解くときは時間を計り、時間内に解き終えることが出来るか時間配分を意識しながら取り組みましょう。
また、英検4級のテスト時間は、リーディング35分、リスニング30分と、小学生にとっては結構長いです。
長時間机に向き合い続けることが出来るか、確認しておきましょう。
日本語の語彙力も高めておく
英検4級は身近な話題に加え、実用的なトピックも入ってきます。
小学生のお子さんにはあまり馴染みが無い語彙や、シチュエーションが加わります。
日本語でもそのような社会性のある話題に少しずつ触れておくと理解度が上がります。
小学生が英検4級に合格するための勉強方法
小学生で英検4級に合格するためには、対策を立てて勉強することが大切です。
単語と熟語を覚える
単語の出題範囲は、中学中級レベルの約1,300語です。
全て覚えるのは難しいので、英検4級の単語対策がされている単語帳やテキストを使って効率的に勉強しましょう。
何度も暗唱し、イメージを付けながら覚えると覚えやすいです。
また、熟語で覚えておくと答えやすい問題も多く出題されています。
be good at ~ing(〜するのが得意だ)
be interested in ~(〜に興味がある)
など、丸ごとフレーズで覚えておくと、並べ替えや単語の穴埋め問題がスムーズに解けます。
文法を覚える
英検4級の文法は中学2年生レベルで、小学校では習わない範囲まで広く出題されます。
分かりやすく解説されたテキストを読んで勉強しましょう。
文法を覚える時は、その文法項目が入った短文ごと覚えるようにすると、定着しやすいです。
また、小学生はまだ思考が発達段階でもあり、テキストを読んで理解するのが難しいこともあると思います。
そのような時は、親御さんがサポートしてあげたり、英会話スクールやオンライン英会話のレッスンを通して教わるのも良いでしょう。
リスニングの勉強方法
英検4級は読み上げられる文章や解答の英文が長くなり、内容も少し複雑になります。
英検4級のリスニング対策用のCDを繰り返し何度も聞いて練習し、耳を鳴らしましょう。
聞き取れなかった部分は問題を読み返し、会話の状況を把握した上でもう一度聞き直してみましょう。
長文リーディングの勉強方法
英検4級の長文問題は、簡単なイベント告知、メニュー、手紙、 e-mail、日記風作文などから出題されます。
簡単な会話文が読めるお子さんでも、長文となると時間が掛かってしまうかもしれません。
英検4級のテキストや問題集に出てくる長文問題を解いて長文に慣れておきましょう。
意味が掴みづらいときには、何回か音読しながら読み進めると理解が深まります。
過去問に挑戦する
できるだけ多くの過去問を解いて、英検4級の力試しをしつつ、出来なかったところ、苦手な分野を解決しておきましょう。
英検公式サイトには、リスニング音源付きの過去問題が3回分公開されていて、そちらの利用もおすすめです。
参考:英検公式サイト・英検4級の過去問ページ
小学生の英検4級対策におすすめの単語帳やテキスト
小学生の英検4級対策におすすめの単語帳やテキストをご紹介します。
対策テキストは、CDや音声アプリなど、音源つきのものを選び繰り返し聞いて、英検4級の英語に慣れましょう。
旺文社【音声アプリ対応】英検4級 でる順パス単
英検4級の過去問と、中学1・2年生で習う英単語を徹底分析してあるので、とにかく効率的に単語を覚えたい時におすすめの単語帳です。
旺文社【CD付】 英検4級 絵で覚える単熟語 三訂版
フルカラーで単語や会話フレーズにイラストが付いているので、小学生や暗記がちょっと苦手というお子さんにおすすめです。
音声CDはチャンツやクイズが収録されているので、楽しみながら身に付けることができます。
Jリサーチ出版 小学生のための英検4級 合格単語700
小学生が英検4級合格に必要な語彙力が身に付く単語帳です。
イラストと会話アクティビティで、実践的に単語が身に付けられる工夫がされています。
学研【CD付】英検4級をひとつひとつわかりやすく。
シリーズ累計がベストセラーのシリーズ。
受験の流れから予想テストまで、この1冊で英検4級に必要なことが分かります。
小学生にも分かりやすい丁寧な解説と模擬試験で、ばっちり英検4級の試験対策ができます。
旺文社【CD付き】小学生のためのよくわかる英検4級合格ドリル 改訂増補版
全編フルカラー、イラスト満載で英検4級の基礎的な内容から模擬テストまで楽しく勉強できるテキストです。
スピーキングテスト対策も付いているので、スピーキング対策をしたい小学生にもおすすめです。
旺文社【CD2枚付・音声アプリ対応】7日間完成 英検4級 予想問題ドリル 4訂版
テスト直前の7日間で英検4級の総仕上げが出来る問題集です。
短期間で効率的に英検4級の対策を完成させたい小学生におすすめの問題集です。
小学生が英検4級に合格するために親御さんができること
小学生が英検4級に合格するために、親御さんができることを解説します。
文法を教える
英検4級の文法は小学校の英語の授業で習わないものが多いので、教えてあげる必要があります。
しかし、親子ですと文法を教えてあげるつもりが、子供が説明をちゃんと聞かないなど、ついつい口論へ発展してしまいがちです。
そのような事態を避けるため、英検対策のある英会話スクールやオンライン英会話レッスンを利用し、プロの手を借りるのもおススメです。
その場合、文法を日本語で説明してくれる日本語スピーカーの講師を選ぶのも良いでしょう。
苦手分野を見つけてあげる
英検4級は出題範囲が広くなりますので、漏れなく学習し、お子様の苦手分野はどこなのか見てあげてください。
そして、苦手な分野が克服できる教材や、対策テキストを一緒に探してあげましょう。
試験時間や解答方式の確認
模擬試験などを解くときには、本番通りの時間を計り、どれくらいの時間か体験させてあげましょう。
マークシートの塗りつぶし方も確認しておいてください。
自主性を尊重する
英検4級は小学生の受験者も増えているので、親御さんもついつい焦ってしまうかもしれません。
しかし子供本人が希望していないのに無理強いをしたり、過度な期待や焦りは禁物です。
英語が嫌いになってしまっては中学以降の英語学習は苦労しますので、あくまでもお子様の様子を見て、本人がやりたいと言うなら受験させてあげましょう。
まとめ
今回は小学生の英検4級についてまとめました。
小学5^6年生で英語が教科となり、昔と比べると中学校の英語の授業も難しいものへと発展しています。
小学生のうちから英検4級を通して英語の力を伸ばしておけば、中学校以降の英語の授業で大いに役立ちます。
また、中学受験をお考えであれば、英検4級を取得しておくと有利に働く点もあります。
英検4級は中学2年生レベルで、小学生にとっては決して簡単な試験ではありませんが、ポイントや対策を抑えて勉強し、英検4級合格へと進みましょう。