子どもの才能や能力を伸ばす英才教育がとても充実してきました。
そのため、我が子にも英才教育を受けさせたい、とお考えの親御さんも多いのではないでしょうか。
しかし、「英才教育とはどういうものなのか?」「本当に意味はあるのか?」どんなことを行えば良いのかよく分からない、という方もいらっしゃると思います。
今回の記事では、そのようなお悩みをお持ちの方に「子どもの才能を伸ばす英才教育」について解説します。
英才教育のメリット・デメリット、英才教育に最適な分野、効果的に行うポイントなどをご紹介します。
子どもの学習に英才教育を取り入れて、才能をどんどん伸ばしてあげましょう。
英才教育とは?
本来、英才教育とは優れた才能を持つ子どもに対して行われる、特殊な教育方法のことを言います。
英才教育と聞くと、専任のコーチなどが付きっ切りで指導し、各分野の超エリートを育てるイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、最近では乳幼児期の子どもに施す幼児教育や、学習を前倒しで学ぶ早期教育、小学校受験に備えたお受験塾なども英才教育として捉えられ、その解釈や概念が拡がりつつあります。
既に幼稚園や保育園では、英会話のレッスンやひらがな・数字の読み書き学習を取り入れているところもあり、英才教育は身近なレベルまで浸透してきていると考えても良いかもしれません。
また、藤井聡太棋士やAmazon創業者ジェフ・ベゾス、オバマ前大統領などが受けていたことで有名なモンテッソーリ教育や、著名人の出身者が多いシュタイナー教育など、独自の幼児教育法も英才教育と考えられる傾向にあり、ますます選択肢が増えています。
英才教育は何歳から始めるべきか?
脳の発達や右脳の働きの点から、英才教育は3歳ごろまでに始めるのが良いとされています。
3歳までの子供は、まだ言葉がつたなく論理的に考えることが出来ません。
そのため、直感・ひらめき・膨大なイメージを記録する記憶力などの右脳の働きがとても活発です。
この右脳の働きが活発なうちに右脳に働きかける英才教育を始めておくと、感性が磨かれ子どもの才能や能力を高めることが期待できます。
また、脳は3歳ごろまでに80%、6歳ごろまでに90%が出来上がるため、小学校入学前に英才教育を始めておくのが効果的と言われております。
しかし、すでに3歳を過ぎてしまっている場合、英才教育は意味がないのでしょうか?
もともとの英才教育は、6歳以上の才能に秀でた児童や生徒を対象に行われる特別な教育のことを指します。
そのため、あまり年齢にこだわり過ぎる必要はないでしょう。
子どもの才能を伸ばすためには子どもの意欲が何よりも大切ですので、子どもが興味を持った時にサポートしてあげるのが良いです。
英才教育を子どもに行う目的
英才教育は子どもの才能を引き出し、子ども自身が自らの能力を伸ばしていくことを目的としています。
子どもの才能を引き出すためのきっかけ作りや、最適な教育方法を用意することで子どもの能力を伸ばす手助けをします。
しかし、子どもが持っている力を発揮するためには、粘り強さや忍耐力、失敗してもくじけない強い心も必要となってきます。
英才教育を行う目的は、ただ単にスキルや学力を身に付けるだけではなく、生きる力を身に付けることにまで及ぶと考えておくと良いでしょう。
英才教育のメリット
英才教育が広がりを見せ、子どもの英才教育が気になっている親御さんも多いのではないでしょうか。
子どもの才能を伸ばす英才教育には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
自然に才能を引き出す
例えば、音楽家のモーツァルトは小さい時から家じゅうのグラスをスプーンで鳴らして音を楽しみ、姉が練習するピアノを聞き音楽に慣れ親しんできました。
3歳からピアノを弾き始めたモーツァルトにとって、ピアノの練習や作曲はごく自然で生活の一部だったのでしょう。
このように、英才教育では身近なものや興味があることから自然に好きなことを見つけ、その才能を無理なく伸ばせることを目指します。
そのため、子どもが学習やレッスンを拒絶することなく、子どもにとって自然な形で才能を伸ばして行くことが期待できます。
右脳が鍛えられ、記憶力やひらめきがアップする
人間の脳は右脳と左脳に分かれており、それぞれ、感覚を司る右脳、論理的思考を司る左脳と、働きが分かれています。
0歳から3歳までは、左脳よりも右脳が活発なため、記憶力やひらめきが抜群に良好です。
そのため英才教育では、右脳に働きかけ能力を養う学習内容やレッスンになっています。
勉強が好きな子どもになるかもしれない
小さい時から始める英才教育は、子どもが自然に学習に入れるように、遊びやゲーム感覚で学べるレッスンが多いです。
そのため、子どもが苦手意識を持つことなく学ぶ楽しさを見出すことができます。
幼少期のうちに勉強が楽しいものと実感できた子どもは自ら学ぶようになり、学習を習慣化しやすいです。
スポンジのように吸収し覚えが早い
小さな子どもと接していると、何も教えていないのにアニメのキャラクターや、乗り物の名前など難しいものを覚えていたり、驚かされることも多いのではないでしょうか。
子どもの脳は、見聞きしたことや経験したことをスポンジのように何でも吸収し、記憶する力が優れています。
特に好きなものに対する好奇心や記憶力は非常に高いです。
そのため、幼少期に色々な体験をさせて好きな事や興味があることを見つけておくと、そこに向かって才能を伸ばしてあげることができます。
また、第二言語としての英語をネイティブのような発音を身に付けさせたい場合も、小さな時から英会話に触れたり英会話レッスンをスタートしておくと、難しい英語の発音でも吸収して覚えることができます。
英才教育のデメリット
英才教育には魅力的なメリットがある反面、デメリットもあります。
下記にご紹介するようなデメリットを把握し、子どもへの悪影響が無いように英才教育を進めていきましょう。
子どもがストレスを抱えてしまう
幼少期の英才教育は親の意向が強く反映されることがあり、嫌なことをはっきり意思表示できないお子さんにとっては、かなりのストレスとなってしまうこともあります。
また、子どもは親の期待を敏感に感じ取るため、過剰な期待がプレッシャーとなりストレスを感じてしまう子どももいます。
そのようなストレスが、英才教育にとって一番のデメリットです。
爪を噛んだり、イライラして不安定などいつもと様子が違うなと思ったら、子どもの心が負担を感じているのかもしれません。
そのような時は優しくサポートしてあげて、話を聞いてあげましょう。
その上で、英才教育が子どもに合った方法なのか、このまま英才教育を続けるのか改めて検討しましょう。
チャレンジ精神を無くしてしまうことも
親があまりにも過剰に与えすぎてしまうと、子どもの「自分からやりたい!」という気持ちを摘んでしまうこともあります。
そうなると、子どもが何をやったら良いのか分からなくなってしまい、大人になってからやりたいことが見つからないなど、人生に迷ってしまうこともあるでしょう。
英才教育を進める時には、「自分でやりたい」という子どもの気持ちを大切にしましょう。
子どもの自由時間が減る
英才教育を行うと、習い事で子どもの自由時間が制限されがちです。
子どもにとって、友達と思い切り遊んだり自由に色々な経験をすることはとても有意義です。
そのような時間を通してコミュニケーションを学んだり、好きなことを見つけることができます。
英才教育に時間を割くあまり、子どもの自由時間が減ってしまわないよう配慮してあげましょう。
英才教育を実施している分野
英才教育には様々なジャンルがあり、常に新しい情報が入ってくるためどのような英才教育を受けさせたら良いのか悩むところですよね。
英才教育の人気が高い分野についてご紹介します。
スポーツ系
オリンピックなどの国際大会を見ていると、小さな時から親やコーチと二人三脚でスポーツに励んできたアスリートが多いことに気づかされます。
そのため、小さな時からスイミングや体操、サッカー、テニスなどを行う英才教育は人気が高いです。
スポーツ系の英才教育は、基礎体力をつけながら運動神経やスキルを育むことができます。
基礎体力は大きくなってから他のスポーツを始める時にもプラスになりますし、受験勉強などの過酷な時期を乗り越える力となります。
また、体力や技術面だけではなくルールやスポーツ精神を通して、マナーや礼儀作法をも身に付けることができ、社会に出てからも大いに役に立つ事でしょう。
芸術系
芸術系の英才教育では、ピアノやヴァイオリン、ギターなど音楽や楽器に親しめるレッスンに人気があります。
楽譜を先読みしながら楽器を演奏するスキルは、情報処理能力を育て、怒りにくい子どもにするとも言われています。
ピアノであれば、両手を使うことで右脳左脳の両方を効果的に鍛えることができます。
また、アートなどの美術系も感性を豊かにし、右脳に刺激を与えます。
大人になっても続けられる芸術系の英才教育は、生涯に渡り感性や人生を豊かにするので身に付けておけば大変重宝するでしょう。
学習系
学習系の英才教育には、英会話のレッスンや幼児教室、お受験塾などがあります。
小学校から英語が必修化になったこともあり、英会話のレッスンは注目が高まっております。
英会話のレッスンを小さいときから始めておくとネイティブの発音になりやすかったり、グローバルに活躍できる英会話スキルを磨けるため、英会話レッスンは人気が高いです。
参考:早期英語教育は必要?メリットデメリット、気になる勉強方法や親が出来ることを解説
参考:小学3年生から英語教育がスタート!小学校での英語教育のメリット・デメリットは?
幼児教室やお受験塾では遊びの延長で楽しく思考力を育んだり、勉強している感覚が無い中で文字や算数を学び、学力の土台作りを行います。
塾によって方針が異なるので、目的や子どもの興味に合わせて選ぶと良いでしょう。
子どもの英才教育に対する意見や現状
子どもの英才教育の人気が高まっていますが、英才教育に対する意見や現状はどのようなものがあるのでしょうか。
英才教育の現状は?
英才教育そのものの解釈や概念が広がっていることから、英才教育を行うジャンルも幅広くなりました。
そのため。英才教育を始める年齢が低年齢化し、より身近なものへと発展しています。
また、少子化のため子ども一人に掛ける教育費用や期待が高まっていることもあり、英才教育やそれに準ずる習い事、小さな時からお受験対策塾に通うことが多くなりました。
一人の子どもが複数の塾やレッスンに通うケースもあります。
一方で、実際の効果はどうなのか?裕福な家庭とそうでない家庭との学力格差に繋がるのでは?などの懸念が残っているのが現状です。
英才教育に対する意見
前述のように次々に発展していく英才教育ですが、保護者の間ではどのような意見があるのでしょう?
子どもの才能を伸ばすためには、高い費用が掛かっても良いから子どもに英才教育を施してあげたい、という意見がある一方で、乳幼児期から始める意味はあるのか?小さい時はのびのびと自由に育てたいという意見もあります。
英才教育は親の意向で始めると考えられがちなため、否定的な意見も少なくないですが、子どもの溢れる好奇心に応えてあげたい、という思いで英才教育を始めるご家庭もきっと多いでしょう。
家でできる英才教育
「英才教育には興味があるが色々あり過ぎて分からない」
「小さいうちはのびのびさせたい…」
など今一つ英才教育に踏み切れない方もいらっしゃると思います。
そこでまずは家で取り組める簡単な遊びを通して、英才教育を取り入れてみてはいかがでしょうか。
語り掛け
赤ちゃんや子どもへの語り掛けは言葉の発達を促し、語彙力を高めると共にコミュニケーションを育みます。
子どもの語彙数が豊富であると、物事の理解力や様々な能力を伸ばすので、学習にも役に立ちます。
読み聞かせ
大好きなパパママに読んでもらう絵本の読み聞かせ時間は、子どもにとっても嬉しい読書タイムです。
読書習慣は、国語や算数の成績に良い影響を及ぼすことが分かっているので、小さい時から読み聞かせをして、本に親しめる環境作りをしてあげましょう。
読み手の声と絵本の絵を頼りに主人公の行動や感情について思いや疑問を巡らせるので、思いやり、想像力などを育みます。
ごっこ遊び
おままごとや戦いごっこなどのごっこ遊びにも、子どもの才能を伸ばす要素があります。
大人のマネや別のものを何かに見立てたりすることで想像力を養い、即興でストーリーを組み立てながら遊ぶので、発想やひらめき、コミュニケーションなど多くのスキルを磨くことができます。
子どもと一緒に色々なシチュエーションやストーリーを創造してごっこ遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。
しりとり
待ち時間や移動中にもできるしりとりは、親子で楽しみながら語彙力をつけるのにぴったりなゲームです。
決められたルールの中で適切な言葉を見つけ出すので、考える力やひらめきを育むのに効果的です。
言葉やルールを理解できる年齢になってきたら始めてみましょう。
ブロック遊び
ブロック遊びや積み木遊びは、想像力や表現力を育みます。
平面を作ったり立体的に組み立てたり、ブロックを何個積むか?など、算数に役立つ思考力も養います。
カラフルなブロックや積み木を選べばアートの感性も磨かれ、遊びの中から色々な能力が身に付く優れた遊びです。
折り紙や粘土など指先を使った遊び
指先を使うと脳も連動して鍛えられますので、折り紙や粘土などの指先を使った遊びがおススメです。
カラフルな色紙や粘土で造形することにより、創造性や色彩感覚が磨かれ、能力の向上に役立ちます。
お手伝い
小さな子供は、パパやママがすることに興味津々でお手伝いもやる気満々です。
そのような湧き上がる好奇心を満たすことは、子どもの自信や自立心などを育むことになります。
大人が行った方がはかどる家事ですが、子どもがお手伝いする!と言った時には、英才教育だと思って、お願いしてみましょう。
その結果余計に仕事が増えてしまう…なんてこともあると思いますが、とにかく危ないこと以外は叱らない、と心掛けましょう。
また、「ありがとう」「助かったよ」などと、感謝の気持ちを伝えることも忘れずに!
英才教育を子どもに効果的に実施するポイントとコツ
英才教育は子どもの学力の土台を作り感性を豊かにするものですが、方法を間違ってしまうと子どもの自主性や自己肯定感を削いでしまう恐れもあります。
そのような事態を避けながら、英才教育を効果的に実施するポイントやコツはあるのでしょうか。
学ぶ楽しさを伝える
英才教育の成功のカギは、何と言っても子ども自身が楽しいと思えるかどうかにあります。
学ぶことの楽しさが自信になり、将来の学習や困難な状況でもあきらめないことに繋がっていきます。
そのためには子供のペースを大切にし、親はあれこれ口出しや手出しをしないことも大切です。
ちょっと手間取っているなと思っても、子どもが手伝ってほしいと意思表示するまでは見守り、分からないと助けを求めてきたら優しくフォローしてあげましょう。
過度な期待やプレッシャーを掛けない
英才教育は高額な場合もあり、そのつもりは無くてもつい期待やプレッシャーをかけてしまいがちです。
行き過ぎた期待やプレッシャーは子どもにとって逆効果であり、英才教育が失敗に終わってしまうこともあります。
失敗や成功にこだわり過ぎず、例え失敗だと思うようなことがあっても子どもを叱らないでください。
英才教育を通して好きなことが見つかったり、感性が磨かれたりするだけでも意義があります。
思った効果や結果が得られなくても、決して責めたり無理強いをせず、子どもが楽しんでいる様子や頑張る姿をしっかり見守ってあげましょう。
他の子どもと比較しない
親側もついついやってしまいがちなのですが「他の子どもと比べない」ということです。
まだ考える力が発達段階にある子どもは、その成長具合にも個人差があります。
また性格などもおおらかな子、せわしない子、それぞれ個性もあります。
英才教育では、それぞれの子どもに合ったペースに合わせてレッスンを行い、着実に成長していきます。
他の子どもと比べたり、どうして出来ないの?という否定的な発言はしないようにしましょう。
親は自分の子どもを見守り、よき理解者となって支えてあげてください。
親子で英才教育を楽しむ
失敗したり、やらないと怒られるなど、親の様子を伺いながらでは子どもは委縮して英才教育を前向きに行うことが出来ません。
英才教育を効果的に実施するポイントは、楽しむことです。
楽しい雰囲気で英才教育を進めていきましょう。
親も一緒に英才教育を楽しむことが、子どもの学ぶ意欲に繋がります。
親子の楽しい思い出を作るつもりで英才教育に取り組みましょう。
五感を刺激する体験を取り入れる
英才教育と聞くと勉強のイメージがあるかもしれませんが、五感を刺激するような体験をすることで子どもの自主性や創造性を育み、能力を伸ばすことに繋がります。
英才教育の学習やレッスンに加え、自然に触れたり外遊びで思いっきり体を動かしたり、五感を使った遊びを取り入れるのも良いでしょう。
まとめ
今回は、子どもの才能を伸ばせることで注目が高まっている子どもの英才教育についてご紹介してきました。
スポーツや芸術、学習の分野で多くの英才教育が存在し、様々な選択肢が用意されています。
ただ単に子どもの学習やスキルを高めるだけではなく、忍耐力やチャレンジ精神などの生きる力を身に付けながら才能を引き出すのが英才教育です。
沢山のメリットと共にデメリットもありますが、子どもの気持ちを大切にしながら正しい方法で進めていけば大丈夫です。
子どもが英才教育を通して、学ぶことや上達することが楽しい!と実感できるころには、どんどん才能の目が開いて世界が広がっていくことでしょう。